2013年02月

ヘルメットを徹底調査

ヘルメットに求めるものっていろいろあると思います。デザインで選ぶ人もいれば、価格で選ぶ人もいるでしょう。今はAraiのRAPIDEを使っていますが、そろそろ5年以上経過しているので買い換えようと思っています。買い換えるにあたり、まず候補の一番手はSHOEIのNEOTECでした。眼鏡をかけているのと、ツーリング中に写真を撮りたいので、フリップアップの便利さに魅力を感じていました。ただ、帽体がマルチテックよりもシャープになったとはいえ大きいのと、価格が高いのでなかなか踏み切れませんでした。そこで、そもそもヘルメットについて理解を深めるために調べることにしました。

そもそもヘルメットについて求めるものはいろいろあるかと思いますが、自分の中で求めるものの優先順位は
①安全性
②価格
③デザイン
だろうということに気がつきました。ジャケットもヒットエアーを使っていることもあり、意識の中では安全性が最も高いです。





■ヘルメットの規格とは

ヘルメットの安全性を理解するにはまず規格の理解が大切だと思います。調べてみるとヘルメットの規格はいろいろあります。日本ではSG、PSC、JISです。ただ調べてみると性格が違います。自動車保険にも自賠責と任意保険があるのと似ていて、SGは最低限必要な自賠責に近いイメージです。そのため、一概に比較はできませんが、極めて乱暴に説明するならば、規格の信頼性はJISのほうが高いです。

次いで、海外の有名な規格についてですが最も有名なのがスネル規格です。個人的には信頼性の高い規格だと思っていますが、特にヘルメットの硬さについては厳しい審査が行われます。また、日本ではあまり有名ではありませんが、ECEという規格もあります。スネル規格は言わばアメリカの規格(アメリカの規格という意味で公式なものはDOTです)で、ECEはヨーロッパの規格です。重視するポイントが異なり、スネルは先に述べたようにヘルメットの硬さが重視されますが、ECEのほうは衝撃の吸収性が重視されます。

ヘルメットの硬さと衝撃の吸収性はどちらが大事かというと、個人的には優先順位はつけられないと思います。硬くなければヘルメットは割れてしまいます。そもそもスネル規格のスネル氏はそれで命を落としています。ただ、硬ければいいという訳でもありません。硬いだけだったら怪我する以前に痛そうな気もします。そのため、まずは硬くて割れないヘルメットで、その硬さを活かした衝撃吸収をできるのがベストではないか、と考えました。

ところで、衝撃的な映像があるので見てみてください。見た目では問題なさそうなヘルメットでも実際にはこれだけの差があります。ヘルメットは高いですが、高いだけの理由はあるように思いました。厳しい規格には意味がありますね。

ここで、私が調べた規格について列記しておきます。

SG/PSC
http://www.sg-mark.org/

JIS(JIS T 8133)
http://www.jisc.go.jp/app/pager?id=1846317

DOT(Standard No. 218; Motorcycle helmets.)
http://www.fmcsa.dot.gov/rules-regulations/administration/fmcsr/fmcsrruletext.aspx?reg=571.218

Snell
http://www.smf.org/

ECE 22.05(Regulation No. 22 - Rev.4 - Protective helmets and visors)
http://www.unece.org/trans/main/wp29/wp29regs21-40.html


日本のもの以外は英語なので読むのが面倒です(ECEのみユーロ圏の主要な言語でも書かれています)。スネル規格に関する記事は多いので、ECEのほうについて少しだけ触れます。ECEはそもそも様々な規格の集合体で、ヘルメットに関する記載は、Regulation No. 22にあります。PDFで公開されているので実際に読むことができますが、テストの配点が以下のように定められています。
ECE規格
これをみれば一目瞭然なのですが、Impact absorption(衝撃吸収性)の項目は多いですが、Rigidity(硬さ)は少ないです。面白いですね。少し読むだけでも規格の趣旨がわかってくるので、非常に参考になりました。





■Arai VS SHOEI
昔からアライ派とショウエイ派で分かれますね。そもそも私はヘルメットに対してのこだわりはありません。今はアライのヘルメットを被っていますが、次はショウエイにしようと思っていたくらいです。ただ、調べていくと面白いことがわかりました。日本はもちろん、アメリカ、ヨーロッパのアライとショウエイのサイトを読んでいたのですが、ヨーロッパのショウエイのサイトで興味深い記載がありました。

以下はヨーロッパのショウエイのサイトに掲載されていた文言です。今はなぜかページが削除されていましたが、キャッシュが残っていました(インターネットって凄いですね)。

Please be warned about so called internet special offers. Right now, there are motorcycle-helmets available on the internet, that do not fulfill the European regulations, even if the relevant pages explain the opposite. This can lead to big problems with the insurance company after a crash.

For example, if you order a SHOEI helmet in the USA, this helmet does not meet the European regulation ECE 22.05. Every SHOEI sold in the USA has a DOT certification or a SNELL/DOT certification. As mentioned, this could lead to serious problems with insurance companies and the police. Furthermore, the weight of these helmets is significantly higher than the weight of European certificated helmets (see table). This could turn a special offer into a expensive mispurchase.

Therefore we advise to buy motorcycle helmets only at a specialized store.

If you nevertheless decide to buy a motorcycle helmet over the internet we advise you to check the ECE homologation and the possibility to change the helmet if the size is not right. Also check the availability of service and spare-parts.

極めて簡単に言うと、「各国で規格が違うから同じSHOEIのヘルメットでも気をつけて買ってね」ってことです。それをわかりやすく示していたのが以下の表です。

SHOEI規格

ここでわかったことは、明らかにSHOEIは国の規格ごとに合わせてヘルメットを作り分けているということです。このサイトの記載が今は消されているので現在では違うのかもしれませんが、今まではそういうポリシーで作られていたということになります。

対してAraiのヨーロッパのサイトには、スネルもECE22.05も両方クリアしたと堂々と書いてあります(全部のヘルメットではありません)。ここまで調べて、安全性に関しては「Arai>SHOEI」だと私なりに結論付けました。最もSHOEIのほうが規格を大幅に超える安全性を保持している可能性はあると思います。ただ、この両立の難しい規格を両方取得しているAraiの企業姿勢のほうが個人的には好きです。ちなみに、両立が難しいと書きましたが、スネル規格は硬さを求めるので突き詰めると重くなります。逆にヨーロッパのほうは衝撃吸収を重視するので、ヘルメットの重さが軽いほうが有利になります。つまり、乱暴にいえば、スネル規格を重視するとヘルメットは重くなり、ECEを重視すると軽くなります。それが上表のSHOEIの重さの表の理由になります。

なお、補足しておきますがSHOEIのヘルメットがARAIに全て劣るとは言っていません。ヘルメットは通気性、空気抵抗、騒音などさまざまな要素が他にもあります。私は安全性を意識しているのでARAIかなとは思っていますが、トータルではまた別の評価もありえるでしょう。また、そもそも頭の形は人それぞれ違うので、ピッタリのものを選べばそれだけ安全性にもつながると思います。





■ヘルメットを徹底比較
仮に安全性を重視するなら、まず第一に優先すべきは規格の確認です。そこでわかる範囲でヘルメットの規格を調べました。次いで比較できるのはヘルメットの重さです。先にも書いたように、ヘルメットは硬さをキープできていれば軽いほうが有利です。比較した結果が以下です。重さに関しては私の実測です。ヘルメットはサイズによって重さも異なりますし、そもそも重量を公表しているサイトがほとんどありません。AraiやSHOEIですら公開していない(日本では)ので、もしかすると製品によってばらつきが出るんでしょうか。。。なお、参考までに(自分の備忘ほうため)値段も記載しておきました。

また、計測するにあたり、お店で試着して”私の頭に合うサイズ”を確認しています。カラーリングについてはベースモデルで判断しています。あと、万引き防止のセンサーやタグはつけたままで計測しているので、少し重めになっている可能性はあります。

ヘルメット比較表

この表をどう見るかはご覧になっている方にお任せしますが、個人的にはX-liteのヘルメットが気になっています。値段は高いですが。。。逆に当初買いたかったNEOTECは無いなあという印象です。むしろそこまで金を出すならシューベルトやX-liteを視野に入れたいくらいです。ただ、実際のコストパフォーマンスで考えるならやっぱりAraiかと思います。特に新しいラパイドが出て比較的安くなったアストロや、ヨーロッパで販売されているカンタムはかなりいいですね。インナーを外すことってあるようでないので(1回だけ洗濯したことはありますが)、正直カンタムでもいいのでは?とも思います。バイク便とかやってれば外せたほうがいいでしょうけどね。。。





■GPライダー
2013年のシーズンが始まっていないのでなんとも言えない部分はあるんですが、GPライダーのヘルメットも調べてみました。個人的に注目のX-liteが無くなったのと、AGVが結構多いですね。AGVはライコランドで扱っているので少し気になってます。試着した感じも悪くなかったですよ。

4.アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ・チーム):アイロー
5.コーリン・エドワーズ(NGM・モバイル・フォワード・レーシング):Arai
6.ステファン・ブラドル(LCR・ホンダ・MotoGP):SHARK
7.青山博一(アビンティア・ブルセンス):Arai
8.エクトル・バルベラ(アビンティア・ブルセンス):AGV
9.ダニロ・ペトルッチ(カム・イオダレーシング・プロジェクト):AGV
11.ベン・スピース(プラマック・レーシング・チーム):HJC
14.ランディ・ド・プニエ(パワー・エレクトロニクス・アスパル・チーム):SHARK
17.カレル・アブラハム(カルディオン・AB・モーターレーシング):Arai
19.アルバロ・バウティスタ(ゴー&ファン・ホンダ・グレシーニ):SHOEI
26.ダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ・チーム):Arai
29.アンドレア・イアンノーネ(プラマック・レーシング・チーム):AGV
33.マイケル・ラバティ(ポール・バード・モータースポーツ):SHARK
35.カル・クラッチロー(モンスター・ヤマハ・テック3):Arai
38.ブラドリー・スミス(モンスター・ヤマハ・テック3):SHOEI
41.アレックス・エスパルガロ(パワー・エレクトロニクス・アスパル・チーム):SHARK
46.バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ・ファクトリー・レーシング):AGV
67.ブライアン・スターリング(ゴー&ファン・ホンダ・グレシーニ):SHOEI
68.ヨニー・エルナンデェス(ポール・バード・モータースポーツ):Arai
69.ニッキー・ヘイデン(ドゥカティ・チーム):Arai
71.クラウディオ・コルティ(NGM・モバイル・フォワード・レーシング):AGV
93.マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム):SHOEI
99.ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ・ファクトリー・レーシング):HJC





■オマケ

最後に手持ちのメットを計測してみました。今のと比べて重くなるとツーリングで疲れそうですから購入するときには同程度のものを選びたいです。

まずは今使っている旧Rapideです。当時選んだ理由はベンチレーションがかっこよかったからです。それだけ(笑)デザインから入りました。
helmetkg1

結果は1.54kgでした。これと同じことを店でやってました。。。ヘルメットの試着するお客さんはいますが、計る人には会ったことがありません。とりあえず被ってからおもむろに計りを取り出して計測、という怪しい作業を繰り返してました(笑)
helmetkg2


続いて旧Astroです。これは嫁さんのなのでサイズは小さいです。
helmetkg3

結果は1.48kgです。やっぱりサイズによって結構変わるんですね。いろいろな規格を読んでいても帽体(要はS、M、Lのサイズ、規格によってはセンチ)によって定義されています。
helmetkg4

そして最後はジェッペル。Bucoですがいかにも軽そうです。
helmetkg5

結果は0.94kgです。まさかの1kg切りです。ただこれだけ安全性について調べるとこのヘルメットはちょっとないなあと思います。強度もなんとなく心配だし、ウレタンも薄いですし。これも古いので使うのはやめよう。。。
helmetkg6


最後に結論ですが、今のところAstoroが第一候補です。規格が通っていて一番安く、今と重さも変わらないからです。新しいRapideはまだ店に入ってきてなくて試着できていません。店で聞いたところによると早くて3月、もしかすると4月かもってことでした。そのためもう少しだけ買い替えは待ちます(笑)あと、買い替えサイクルですが、私のような週末ライダーは五年でもいいと思います。実際にスネル規格では五年としていますし流石に三年は過剰かと思います。この辺はオイル交換と同じで商業的な臭いがします。それにしてもX-liteやシューベルトを試着してみたいですね。高嶺の花ですが。。。どこかできるところないかな。

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